授業中などにじっと座っていられない②

2023年11月29日
●ゆれる遊び(数当てクイズ)

ねらい:全身が揺れている時に物を見ると、前庭覚が働くと同時に眼球運動が生じる。視点を動かし、一点に集中する経験をつむことごできる。上下左右、前後への焦点の絞り方を体感する。

 

効果:視点を動かすのが上手になる。黒板とノートを交互に見ることがスムーズになって板書をノートにうつす労力が減る。空間認知の力も上がり、キャッチボールや部屋の片付けなどが上手になる。

 

方法

①ブランコなどの動きのある遊具を使って遊ぶ。ブランコに乗っている間にクイズを出すことを予告する。※小さな揺れだと眼球運動にならないため、大きめに揺らす。ブランコの鎖をつかむと、パワーグリップを使い、手先の機能も育つ。

②お子さまはブランコを大きくこぎ、前後に大きな揺れをつくる。親やきょうだいがブランコを引いて手伝っても良い。揺れの前方の位置に親が立ち、クイズを出す。

③親はブランコが前にきた時、指を何本か立て、お子さまにその数を当ててもらう。指は一瞬だけ見せる。※クイズを出す時、親はブランコに向かい合って立つ。横に立つと、お子さまがバランスを取りにくくなる。

④指の数当ての他にも、小さなスケッチブックに文字を書いて読んでもらったり、カードを見せて数字や絵柄を答えてもらうなどのクイズも良い。

⑤問題と答えがパターン化しないように、クイズの種類を増やして、様々なことにチャレンジしてみる。

 

※回数の目安は、週1~2回、1回20分程度。クイズは毎回替える。

 

★アレンジとして、ブランコを滑り台や回転イス、トランポリンなどに替えてみましょう。いずれも、一瞬だけ問題を見せ、答えてもらう。動きながらクイズをするのがポイント。

 

 

 

●すべり遊び

ねらい:高いところから低いところへの動きで、前庭覚を働かせます。様々な姿勢で滑ることによって、ゆれや姿勢の変化を経験することもできます。不安の強いお子さまは、ゆっくり行っていきます。

 

効果:プールに浮く時などのゆれや、不慣れな姿勢などを怖がる姿勢不安が和らいでいきます。また、前庭覚を使うため、姿勢の崩れやすさや目の動きの悪さも、あわせて改善していくことができます。

 

方法

①すべり台をすべりおりる。お子さまが怖がる場合には、大人が姿勢を支えるか、スピードを調整してすべります。

②前庭覚を働かせる経験を積むと、姿勢の調整が上手になり、怖さが軽減して1人ですべれるようになります。※座る体勢の他に、仰向けに寝て滑ったり、うつ伏せですべったりしてみます。

③ゆっくりすべることが平気になってきたら、徐々にスピードをあげるのも良いです。姿勢不安よりも、姿勢の崩れなどに効果的な遊びになります。

 

※回数の目安は、10分間で10回程度すべる。

 

☆ゆれが怖くないお子さま向けのアレンジとして、大きな公園の坂や土手などでそり遊びをするのも良いです。段ボールなどでそりを作り、ゆっくりすべったり、様々な体勢で楽しむことができます。

※左右に揺れるため、すべり台よりも難易度は高いです。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:木村 順 著  『間隔統合をいかし適応力を育てよう1  発達障害の子の感覚遊び・運動遊び』

 

 

 

 

 

 

 

★次回は、「ちょっとしたことに気をとられ、集中が切れる」ことについて書きたいと思います。