​【スポーツと感覚】「運動神経が悪い」と諦めないで!球技やチームプレイが苦手な子の体の仕組み

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2026年5月23日

​週末、公園や習い事でサッカーや野球などのスポーツを頑張るお子さんの姿を見て、こんなことを感じたことはありませんか?

​「一生懸命やっているのに、なんだか動きがぎこちない」

「飛んできたボールに反応するのが、周りの子よりワンテンポ遅い気がする」

「チームプレイの中で、自分の役割や位置取りがうまく理解できていないみたい」

​そんな様子を見て、「うちの子、もしかして運動音痴なのかな…」と諦めかけている親御さんもいらっしゃるかもしれません。でも、焦らないでください。

​実はその「ぎこちなさ」、単なる運動神経の問題ではなく、脳が体へ送る指令や感覚の受け取り方のクセ、つまり**「協調運動(きょうちょううんどう)」「感覚統合(かんかくとうごう)」**の未発達が原因かもしれません。

​訪問リハビリなどで多くの子どもたちの「動き」を見てきた作業療法士の視点から、スポーツが苦手と感じるお子さんの体の仕組みと、おうちでできる心の支え方について解説します!

​スポーツは脳の「超高度な連携プレー」!協調運動とは?

​例えば、「サッカーで転がってきたボールを蹴る」という、一見シンプルに見える動作。実は、脳とお子さんの体の間では、驚くほど高度な連携プレーが行われています。

  1. 目(視覚): ボールの位置、スピード、方向を確認する。
  2. 耳(前庭覚): 自分が今どんな姿勢で、どっちに動いているかを感じる。
  3. 脳(感覚統合): 入ってきた情報を一瞬で整理し、「どのタイミングで、どのくらいの強さで、どの筋肉を動かすか」の指令を出す。
  4. 体(固有受容覚・筋肉): 指令通りに、足を振り上げてボールに当てる。

​このように、目と手、目と足、右半身と左半身など、別々の動きをスムーズに一つにまとめる力のことを「協調運動」といいます。

​スポーツが苦手と感じるお子さんは、この「情報の整理整頓」や「別々の筋肉を同時に動かすこと」が少し苦手で、脳からの指令がスムーズに体に伝わっていない状態なのです。

​なぜ「ぎこちない」の?感覚統合の視点から見る

​協調運動をスムーズに行うためには、以前もお話しした「3つの大切な感覚」が土台としてしっかり育っている必要があります。

  • 前庭覚(バランス): これが不安定だと、動いているボールを見ながら自分の姿勢を保つだけで精一杯になり、足を出す余裕がなくなってしまいます。
  • 固有受容覚(力の加減・ボディイメージ): 自分の手足が今どこにあって、どれくらいの力で動かせるかが分からないと、ボールとの距離感を掴めず、空振りしたり暴投したりしてしまいます。

​つまり、動きがぎこちないのは「やる気」や「センス」の問題ではなく、脳の中で感覚をまとめる土台を、今まさにレンガを積むように育てている最中だからなのです。

​親御さんに知ってほしい、3つの「魔法の関わり方」

​「もっと練習させなきゃ!」と焦る必要はありません。まずは、お子さんの心と体の仕組みを理解して、安心させてあげることが、上達への一番の近道です。

​1. 「頑張っているプロセス」を具体的に認める

​スポーツが苦手な子は、すでに「自分はダメだ」と自信を失いかけていることが多いです。「できた・できなかった」の結果ではなく、「ボールから目を離さなかったね」「大きな声で応援できたね」と、親御さんが見ていた**「具体的な努力の姿」**を言葉にして伝えてあげてください。

​2. 遊びの中で「スモールステップ」を作る

​「サッカーの試合」だと複雑すぎますが、「親子で手を繋いで、ゆっくり歩きながらボールを蹴る」ならどうでしょうか?「目と手(足)」を同時に使う経験を、生活や遊びの中で小さく分解して(スモールステップで)体験させてあげましょう。小さな「できた!」の積み重ねが、脳の発達を促します。

​3. 「楽しい!」が最高の脳の栄養

​感覚統合は、本人が「楽しい!」と感じている時に一番活性化します。焦って訓練のように練習させるのではなく、まずは「親御さんと一緒に体を動かすと楽しいね」と感じられる時間をたっぷり作ってください。

​まとめ:そのぎこちなさは、これからの「伸び代」です

​今は周りの子と比べて動きがぎこちなく見えても、子どもの脳は無限の可能性を秘めています。焦らず、感覚統合の土台を遊びの中でゆっくり耕してあげれば、お子さん自身のペースで、必ず体の使い方はスムーズになっていきます。

​「うちの子の動き、どうやって支えてあげたらいいかな?」と迷った時は、いつでも『Temps tendre』へご相談ください。訪問リハビリの経験を活かし、お子さんの「動きのクセ」を専門的に分析して、おうちで楽しくできるオーダーメイドのサポート方法を一緒に考えていきます!