​【よく物にぶつかる】「注意力がない」と叱らないで!作業療法士が教える『ボディイメージ』の育て方

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2026年6月1日

「ドアの枠に肩をよくぶつける」

「食事中に、手がコップに当たってこぼしてしまう」

「お友達との距離感が近すぎて、ぶつかってトラブルになる」

​お子さんのこんな様子に、「もっと注意して周りを見なさい!」「落ち着きがないなあ」と、つい叱ってしまっていませんか? 毎日ハラハラして、親御さんも気が休まらないですよね。

​でも、少し待ってください。

実はお子さんがよく物にぶつかるのは、「注意力がない」からでも「ふざけている」からでもなく、**『ボディイメージ』**という、脳の中の「体の地図」がまだ未完成なことが原因かもしれません。

​今回は、訪問リハビリの現場で多くの子どもたちをサポートしてきた作業療法士の視点から、物にぶつかりやすい体の仕組みと、雨の日でもおうちで楽しくできる「体の地図」を育てる遊びをご紹介します!

​自分の体の「幅」や「長さ」、正しく分かっている?

​私たち大人は、ドアを通るときに「自分の肩幅ならぶつからないな」と無意識に計算して通り抜けています。また、見なくても自分の足がどこにあるか、手がどのくらい伸びるかが分かります。

​この「自分の体が、空間の中でどのくらいの大きさで、どこにあるのか」を把握する力のことを、**『ボディイメージ』**と呼びます。

​このボディイメージは、最初から備わっているわけではなく、以下の感覚を使って少しずつ脳の中に「自分の体の地図」を描いていくことで育ちます。

  1. 触覚(しょっかく): 肌に何かが触れることで、「ここが自分の体の境界線だ」と知る感覚。
  2. 固有受容覚(こゆうじゅようかく): 筋肉や関節が曲げ伸ばしされることで、「今、手足がここにある」と知る感覚。

​よく物にぶつかるお子さんは、この「体の地図」がまだぼんやりしている状態なのです。自分の肩幅が分かっていないからドアにぶつかり、腕の長さが正確に掴めていないからコップを倒してしまいます。

​決して「注意力が足りない」わけではないので、叱ってもなかなか改善しないのはそのためなのです。

​雨の日こそチャンス!おうちで『ボディイメージ』を育てる遊び3選

​「体の地図」をくっきりさせるためには、体にピタッと触れる感覚(触覚)や、体をギュッと縮めたり伸ばしたりする感覚(固有受容覚)をたっぷり味わうことが大切です。

​雨で外に行けない日を利用して、リビングで楽しくできる遊びを3つご紹介します!

​① お布団で「のり巻き」ごっこ(触覚・固有受容覚)

​お子さんを毛布やタオルケットでくるくると巻き、「美味しいのり巻きになーれ!」と、上から少しギュッギュッと圧をかけて押してあげます。

  • ポイント: 全身に圧がかかることで、「自分の体はここからここまでなんだ!」という境界線が脳にハッキリと伝わります。心が落ち着く効果もあるので、寝る前にもおすすめです。

​② ダンボールトンネル・隙間抜け(空間認知)

​大きめのダンボールを繋げてトンネルを作ったり、クッションとソファの間に狭い道を作って「忍者」のように通り抜ける遊びです。

  • ポイント: 狭い場所を「体を小さく丸めて」通り抜けることで、自分の体の大きさと空間の隙間を測る力(空間認知)が育ちます。体がどこかに触れながら進むことも、ボディイメージ作りに最適です。

​③ 手押し車・ハイハイ競争(固有受容覚)

​大人がお子さんの足首を持ち、腕の力だけで前に進む「手押し車」や、四つん這いでのハイハイ競争をします。

  • ポイント: 手首や肩の関節にグッと体重がかかることで、関節のセンサー(固有受容覚)が強く刺激され、手足の位置を正確に把握する力が育ちます。

​まとめ:ぶつかるのは「体の地図」を描いている最中だから

​お子さんが物にぶつかってしまった時は、「またやった!」と叱る前に、「今は体の地図を一生懸命作っている途中なんだな」と見方を変えてみてください。

​「前を見なさい」と言葉で注意するよりも、お布団でギュッとハグしたり、ダンボールで遊んだりして感覚を満たしてあげる方が、結果的にボディイメージが育ち、動きがスムーズになっていきます。

​「うちの子の体の地図、どのくらいできているのかな?」と気になった時は、いつでも『Temps tendre』にご相談くださいね。お子さんの動きのクセを専門的に分析し、楽しみながらできるおうちでのサポートを一緒に考えていきましょう!