​「いつも頬杖をついている…」姿勢が崩れる・ウロウロする子に本当に必要な『体幹』のアプローチ

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2026年6月13日

​「ご飯を食べていると、すぐに体がグニャッと横を向いてしまう」

「宿題中に何度も頬杖をついたり、椅子の上で足をモゾモゾ動かしたりする」

「『ピシッとしなさい!』と注意した直後は直るけれど、1分ももたない」

​小学生や就学前のお子さんを持つ親御さんから、このような「姿勢の崩れ」に関するお悩みを非常によくお聞きします。

​何度も注意していると、親御さんもついイライラして「やる気がないの?」「ダラダラしないの!」と叱ってしまいがちですよね。

​しかし、この姿勢の崩れは、お子さんのやる気やしつけの問題ではなく、**「重力に合わせて体を支える力(体幹の土台)」**がまだ十分に育っていないサインかもしれません。

​今回は、リハビリ専門職の視点から、子どもたちが姿勢を保てない本当の理由と、おうちで楽しくできる簡単なアプローチについて解説します!

​なぜ注意しても「グニャッ」と崩れてしまうの?

​「姿勢を保つ」というのは、大人が思っている以上にエネルギーを使う高度な運動です。子どもたちの体が崩れてしまう裏には、主に3つの理由があります。

​1. 頭を支えるだけで疲れてしまう

​人間の頭は、体重の約10%もの重さがあります。小学生なら、約3〜4kg(大玉のスイカ1個分ほど)の重さを首や背中の筋肉だけで支えている状態です。

体幹の筋肉(抗重力筋)が未熟なお子さんにとって、この重い頭をまっすぐキープし続けるのは、大人がずっとプランク(体幹トレーニング)の姿勢をさせられているのと同じくらい過酷なことなのです。頬杖をつくのは、「頭が重くてしんどいから、手で支えている」という SOSのサインでもあります。

​2. 「座っている感覚」が掴みにくい

​私たちは、お尻や太ももにかかる圧力を無意識に感じ取って「今、まっすぐ座れているな」と判断しています。

しかし、この筋肉や関節の感覚(固有受容覚)の受け取り方が少しのんびりなお子さんの場合、じっと座っていると自分の体がどこにあるのか分からなくなり、不安になってしまいます。そのため、わざと椅子の背もたれに寄りかかったり、足を乗せたり、ウロウロ動いたりして、筋肉に刺激を入れて「自分の体の位置」を確認しようとするのです。

このように、自分から動いて感覚を満たそうとする行動については、下記の記事でも詳しく解説しています。

わがままじゃないかも?「服のタグを嫌がる」「よく転ぶ」…生活に隠れた『感覚の特性』

 

​3. 足が床についていない

​椅子に座ったとき、お子さんの足の裏はしっかりと床についていますか?

足がぶらぶら浮いている状態は、自転車のサドルに座って両足を浮かせたままバランスをとるようなものです。土台となる足が踏ん張れないと、骨盤が後ろに倒れてしまい、どうしても背中が丸まってグニャッとした姿勢になってしまいます。

​「ピシッとしなさい!」が逆効果になる理由

​姿勢が崩れているのを見ると、つい「ちゃんとしなさい!」と言いたくなりますよね。注意すればその瞬間はピシッと伸びるため、親としては「言えばできるじゃない」と思いがちです。

​ですが、これは一時的に「気合い」で筋肉をギュッと緊張させているだけなので、長続きしません。それどころか、座っているだけで何度も怒られるため、お子さんにとっては「勉強=怒られる時間」「ご飯=苦痛な時間」になってしまい、自己肯定感が下がってしまう原因にもなります。

​大切なのは、怒って無理に直させることではなく、**「無理なく座れる環境を整えること」「遊びの中で土台を育てること」**です。

​おうちでできる!姿勢を支える2つのアプローチ

​日常の中でできる、とても簡単な工夫をご紹介します。

​① 環境の工夫:足元に「箱」を置くだけ

​一番最初にしていただきたいのが、椅子の調整です。

お子さんが座ったときに、足の裏がピタッとつくように、足元に牛乳パックで作った箱や、使わなくなった雑誌を束ねたものなどを置いて「足台」を作ってあげてください。これだけで劇的に姿勢が安定し、集中力が長続きするようになるお子さんはとても多いです。

​② 遊びの工夫:筋トレではなく「全身を動かす遊び」

​体幹を鍛えるために、大人のような腹筋や背筋のトレーニングをさせる必要はありません。子どもにとっては「遊び」が最高のリハビリです。

  • おうちの中で: 雑巾がけ(ハイハイの姿勢が体幹を育てます)、布団の山登り、手押し車(大人が足を持って、子どもが手で歩く遊び)
  • 公園で: アスレチックの網登り、ジャングルジム、ブランコ、滑り台

​これらの遊びは、背中やお腹の筋肉を育てるだけでなく、前述した「姿勢を保つための脳のセンサー」を刺激してくれるため、自然とまっすぐ座る力が育っていきます。

​まとめ

​お子さんの姿勢が崩れるのは、決してサボっているわけでも、やる気がないわけでもありません。「今、一生懸命座るための土台を作っている最中なんだな」と受け止めてあげてくださいね。

​まずは足元に台を置くところから、ぜひ試してみてください。毎日のイライラが少しずつ減って、親子で笑顔の時間が増えることを応援しています!